後世への最大遺物

2015年に静岡県掛川市で起業した一人社長のBlogです。日々の雑感や経営の話など。

ムーヴメントを生み出すために〜『始まりを告げる《世界標準》音楽マーケティング』

ムーヴメントとは

高野修平『始まりを告げる《世界標準》音楽マーケティング 戦略PRとソーシャルメディアでムーヴメントを生み出す新しい方法 』では、世の中の「盛り上がり」をファッド、ブーム、トレンド、ムーヴメントの4つに区分している。

ファッドは数日の一気呵成な盛り上がり(Twitterなどで見られるバズる、炎上するはこれ)、ブームは数ヶ月程度続きかつ参加者の熱量と主体性があるもの、トレンドは1年程度続き、参加者の主体性はないけれど世の中に拡がりを見せるもの、などといった定義をしている。

その上で、ムーヴメントは、一過性のものではなく、1年以上続き、かつ人々の価値観やライフスタイルを変化させるものだ、としている。

そして、本書は、音楽を通じて世の中を動かすムーヴメントを生み出す方法を述べた一冊である。

 

「世の中ゴト」化する

ムーヴメントを起こしていくためには、音楽が「自分ゴト」なのでは当然難しく、さらに身内や趣味人だけで盛り上がる「仲間ゴト」だけでも難しい。

「これは自分にも関係がある話だ」「この曲は自分のことを歌っているのだ」と多くの人が共鳴する「世の中ゴト」化していく必要がある。

 

本書で例に挙げられているのはブリットポップだ。

これはアメリカ音楽が人々に拡がり、流行していった反動・カウンターとして「イギリスらしさ」を人々が渇望する中で、これに応えるものとしてブリットポップが生まれた。

そしてブラー VS オアシスの対立がイギリスの音楽シーンの中で注目の的となり、ブリットポップムーヴメントは頂点に達する。

 


Blur - Country House


Oasis - Roll With It

そして、こうした「イギリス的なもの」の復権は映画、文芸、ファッションにも波及したと言う。

 

ビジネスでムーヴメントを起こす?

本書は「音楽の力でムーヴメントを起こす」内容であるが、ここまでの話はビジネスにも援用できる。

 

  1. 「熱量」のあるファンをつくること
  2. ビジネスを「世の中ゴト化」すること

 

これらは「ビジネスの力でムーヴメントを起こしたい」という時もほぼ同じ考え方ができる。

 

例えば当社の運営する日本語オンラインレッスンサービス"Aniguage"を例にすれば、

  1. 月数回利用し、周囲の友人にもレコメンドしてくれる熱心なユーザをつくる
  2. 日本語がオンラインで学べることによって、日本語及び日本文化の海外普及に貢献できる(ことを人々に認識してもらう)

といったことを目指した施策を打っていく必要がある。 

 

本書では、『進撃の巨人』『あまちゃん』といった音楽以外のエンタメ、One Direction、David Bowieなど、さまざまな具体的事例を挙げて、ムーヴメントがどのように生まれていったかを説明している。が、正直なところビッグアーティストによるビッグな仕掛けすぎて、参考にならない…というのが率直な印象だ。

一方「きゃりーぱみゅぱみゅだったから可能だった、という言い訳は封印しよう」と書かれていて、それはまさにその通りだし、ないものねだりをしても仕方がない。

予算は少なく、現時点では知名度もほぼゼロといった状況から、世の中を動かす、ムーヴメントを生み出すというのは簡単な話ではない。

 

けれど、今はまだ世に知られぬアーティストが、それでも日々ライヴを続けるように、地道な取り組みがなければ、ブームになることもムーヴメントを起こすようになることもありえない。

ムーヴメントを生み出していくために、今できることを積み重ねていこう。

 

 

5/26トークイベントAKB LOUNGE! feat Aniguageについて

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来たる5月26日(金)19時00分から「AKB LOUNGE! feat Aniguage」というイベントを開催します(GARAGE AKIHABARAさんとの共催)。

 

アニソンを流しながら気軽にご参加いただける交流イベントなのですが、今回はAniguageとのコラボレーションということで、「出身なんて関係ない!?Web企業×留学生」をテーマとしたトーク中心のイベントになっております。

 

ゲストとしてお招きするのは、ヤフーのポテンシャル採用に取り組む内藤汐美さん、そしてサイバーエージェントでゲームプランナーとして活躍する香港出身のウォン ヨクマンさんです。

 

さて、突然ですが、「ほんこーん」さんというニコニコ動画の歌い手さんをみなさんはご存知でしょうか。

2007年12月に「【ニコニコ國際】香港人組曲『ニコニコ動画』を歌ってみた」を投稿し、以後たくさんの歌ってみた動画を投稿され、好評を得た香港出身の歌い手さんです。

現在では、海外からも多くの方がニコニコ動画を視聴し、動画を投稿していますが、こうしたニコニコ国際交流の先駆けだった方でもあります。

2009年には「つきうさぎ」で商業CDデビューもされました。

 

 

実は今回ゲストとしてお招きするウォンさんがこちらのほんこーんさんなのです。

 

彼女は香港の中学6年生の時にニコニコデビューをしたのですが、その後好きが講じて日本に留学。

在学中も日本のポップカルチャーについて学び、卒業後も好きなゲーム制作に携わるためにサイバーエージェントに入社されたのでした。

日本のポップカルチャーをきっかけとして来日し、今もゲームプランナーとして活躍しているウォンさんのお話は、「Japanese Dream」を夢見る留学生のみなさんにとってとてもよい刺激になるのではないか、と思っています。


さらに、もうひとりのゲストである汐美さんには、採用サイドから日本のWeb・IT業界についてお話していただきます。

現在、逆求人イベント等において、高いポテンシャルを持つエンジニア採用のフロントを務めておられます。

彼女とは2016年5月に参加したStartup Weekend Tokyo Anime で出会いました。

チームは別々でしたが、深夜のデニーズで「進捗ダメです…」とお互いに励ましあったことを覚えています。

 

日本で活躍したいと思っている留学生の方はもちろん、Web・IT業界に興味のある方、オモシロオカシク働いている人の話を聴いて自分のキャリアに活かしたい方…

いろんな人にとって、きっとオモシロイ話が聴けるトークイベントになるかと思います。

 

少しでも興味がありましたら、ぜひお気軽にご参加ください。

 

詳細・お申込みはこちらからどうぞ↓

peatix.com

人を分かつ境界〜「ノー・エスケープ 自由への国境」(原題:DESIERTO)

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恐怖を覚える映画だった。

エイリアンよりジェイソンより、単に銃を持った人間の方が怖い、ということをひししひしと感じた。

 

物語は非常にシンプルで直線的。

 

メキシコから移民たちが非正規入国する

→その移民たちを国境で発見したアメリカ人が殺す

→移民たちは逃げる

 

以上。登場人物たちの回想シーンなどもなく、舞台は国境の砂漠地帯のみ。

 

主人公と一人の少女を除けば、移民たちの大半はほとんどバックグラウンドを語られることもなく、死ぬ。

彼らをハントするアメリカ人についてもその背景が明文的に深掘りされることはない(演:ジェフリー・ディーン・モーガンなので端々からその人間性を感じられるものの)。

 

本作で恐ろしいのは、ハンターであるアメリカ人がその相棒たる猟犬の死を深く嘆き悲しむところだ。

淡々と不法移民を銃撃する彼は、血も涙もない怪物ではなく、長い時間を共に過ごしたパートナーを大切に思える人間なのである。

そうした人間が人を人とも思わず虫けらのごとく撃ち殺していくところに戦慄を覚える。

 

そしてこれは決してスクリーンの中のフィクションとは限らない。

いま、この瞬間、現実に起きているかもしれない話だ。

 

newsphere.jp

 

緑茶と焼酎のおいしい関係 〜最高に美味いお茶割りを求めて

 

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静岡県で「お茶割り」と言えば、焼酎を緑茶で割ったもののことを言います。

地元の掛川に帰ってからよくこのお茶割りを飲むようになったのですが、これがハマると実においしいのです。

 

そこで昨晩、我々は「最高に美味いお茶と焼酎の組み合わせ」を真剣に探求・検討する研究会を開催しました。

参加者は「あいさプロジェクト」のメンバーと有志数名。

喧々諤々の議論は深夜まで及びました(楽しく呑んでいただけとも言う)。

 

お茶と焼酎の組み合わせは無尽蔵にありますが、昨晩はまず米焼酎をベースとして、お茶の方をさまざまな変えながら試してみようという話に。

そのため、焼酎は米焼酎の「阿茶の局」「白水」を基本としながら、これらを掛川深蒸し茶や火入れ強めの島田茶など、数種類のお茶で割りながら試飲を重ねました。

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また、白水のお茶割りにさらに炭酸水を入れた緑茶ハイをつくりましたが、これがまた乾杯ドリンクとしてもぴったりの飲みやすさでした。

 

今回、お茶と焼酎のさまざまな組み合わせパターンで飲み比べをする、ということに初めてチャレンジしたのですが、思った以上に風味も香りも異なるものができました。

試してみるまでは「微妙な差しか出ないかもなあ」などと思っていたのですが、想像以上のちがいでした。

まろやかでコクのある焼酎には負けじと旨味の強い緑茶をあわせる、さっぱりとした辛口の焼酎は少し渋味・苦味のあるお茶で割る、など本当にいろいろなパターンが考えられそうです。

試しにガムシロップを入れて甘くしたものなどもつくってみましたが、それはそれでおいしくいただけました。

 

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緑茶と焼酎のおいしい関係にはまだまだたくさんの可能性がありそうです。

これからも引き続き本研究を深めてまいりたいと思います。

 

なにより、美味い酒を楽しく呑むいい口実になりますしね。

 

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(2017年10月25日追記)

上記の研究会を経て、10月29日に広くみなさまにご参加いただいて、おいしいお茶割りを楽しむイベントを開催します!

 ふるってご参加くださいませ〜。

aisa-prj.com

必要なインプットとは何かあるいはリソースの投入について

現状、僕が取り組んでいる仕事をざっくり羅列すると主に以下の4分野になる。

 

・日本語オンラインレッスンサービスの運営

日本茶通販サイトの運営

・Web制作ディレクション

・自治体関連の受託調査・事業

 

こうして見たとき、アウトプットの品質を高めるために必要なインプットは何か、といえば、日本語教育の知識、SNS等のPR戦略ノウハウの蓄積、Web制作スキルの向上、地域政策研究 etc... だろう。

もちろん他にも挙げればキリがないし、無駄なこともないと思うから、なんでも貪欲に吸収すればよいのではないかと思っているが、果たしてライブに行ったりアニメや映画を観たりマンガを読んだり、といったエンタメが仕事のアウトプットのために必要なのか?と問われると少々自信がない。

 

今日、三木一馬『面白ければなんでもあり 発行累計6000万部ーとある編集の仕事目録』(KADOKAWA)を読んだ。

非常に面白く読んだのだけれど、やはり成果を出す仕事人は自分のありとあらゆる時間を仕事につなげているし、しっかりとアウトプットのためのインプットを確保している。

 

では、自分は?と振り返ると「これも経験だから」と言って仕事と関係ない趣味をインプットと言い張っているような気もする。

例えるなら、サッカー選手が試合の合間にバドミントンをして「これも大切な練習だ」と言っているような。

もちろん息抜きならいい。あるいはその趣味でまたモチベーションを高められるのならよいだろう。

 

しかし、仕事のためのインプット、として捉えるちがう気もする。

 

結論はない。

有限な時間というリソースをどう投入するか、人間性の捧げ方が足らんのではないか、という雑感。

Aniguage English ver. is released!

4月21日、日本語オンラインレッスンサービス"Aniguage"の英語ver.をリリースしました。

 

aramahoshi.jp

 

本日の公開まで、思った以上に山あり谷ありの長い道程でしたが、ここからが本当のスタートです。

世界で最も愛される日本語オンラインレッスンサービスをめざして、より一層コンテンツの充実やPRに力をいれていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

2017年3月の振り返り:経営の見直し

2017年の3月は会社経営を見直した1ヶ月でした。

まあ、いろいろあってですね…。

 

主な見直し点は次の通りです。

  • 粗利ベースでの月別KPI設定管理
  • 月別キャッシュフロー管理表の作成
  • 溜め込んでいた経費の会計処理
  • 自社コーポレートサイトのリニューアル
  • 日本茶通販サイトのリニューアル

一般的な会社であれば当然行っていたであろうことをきちんと行うようにした、というだけの話ではありますが、すでに1ヶ月前と比較してかなり効果を実感しています。

 

当社はMFクラウド会計という会計ソフトを使用しているのですが、これは仕訳さえ済んでいれば一瞬でキャッシュフローレポートや収益レポート、決算書(試算)を生成してくれるというスグレモノです。

特に売上・経費の会計処理を迅速(基本的にその日の内)に行うようになったことで、これらのレポートがそのまま経営実態と一致することになり、短期的な営業戦略(というほど大げさなものでもありませんが)を考えるベースになっています。

2期目も終わろうという段階で(当社の決算期は5月)今更の話ではありますが、3期目に向けて諸々改善していきたいと思います。

 

しかし、起業当初に立てた3期の達成目標についての進捗率は現状1%です。比喩ではなくてリアルな数字として。参っちゃいますね。

そろそろ種を蒔くだけではなく、花を咲かせねば。

がんばります。