静岡でウンザウンザを踊る〜バックドロップシンデレラ『君はまだウンザしてないだけツアー』
5月19日18時30分開演のバックドロップシンデレラ「君はまだウンザしてないだけツアー」でウンザしてきた。
ウンザとはなにか?
それは僕も知らんので各自ググってほしい。
ヒステリックパニック、PAN、バックドロップシンデレラのいずれもやかましい(褒めてる)バンドたちの競演、狂宴だった。
僕自身は、どのバンドもライブで観るのは初めてだったが、初見でもフロアと一緒に熱狂して盛り上がれる楽しいライブだった。
ヒスパニの1曲目から跳びすぎて2曲目が始まった時すでにポケットから携帯がなくなっていて焦ったけどね(なお、心優しい誰かがドリンクカウンターに届けてくれていた)。
ヒスパニはほんとにフロアが熱狂的で、みんなでストームしたり、めっちゃ踊るヤツがいたり、ライブ!って感じのライブだった。
PANだけは曲そのものも聴いたことがなく、本当の初見だったのだが、MCも笑えてずっとみんな笑顔なライブだった。あと、王将のまわし者だった。
そしてお目当てのバクシン。
Vo.でんでけあゆみが登場するやいなや雪崩込むように人が前へ前へ。
初っ端からダイブかましたり一曲目からのツカミがすごかった。
そしてこの日はまたフロアが愛に満ち溢れたフロアだった。
モッシュもストームもウォール・オブ・デスもダイブもあるんだけど、思いやりのある感じ。バクシンが歴長いからフロアもベテランってことかもしらんけど。
それと静岡UMBER、初めて来たライブハウスだったけど、めちゃくちゃいいライブハウスだった。音もいいし、フロアに緩やかな傾斜があって後ろの人も観られるように工夫されてたり。
いやはや、楽しい夜だった。
iPhone拾ってくれた人、「あ、カウンターに誰か届けてましたよ」って教えてくれた人ありがとう。
バクシンの最新シングル「フェス出して」は以下よりどうぞ。
未来を想像/創造させるアニメーション〜『ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』
VR・AR関係者必見という噂を聴いて『劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』を観てきた(なお僕はVR・AR関係者ではない)。
ちなみに僕はこれまで『ソードアート・オンライン』は原作未読、TVシリーズ未視聴であり、SAOの世界にまったく触れてきておらず、MMOのオレTUEEE系の走り、という印象しかなかった(あとTwitterで女体化したキリトがTLに流れてきたのを見たことがあるくらい)。
というわけで、ほぼ知識ゼロで観たわけだが、エンタメとして単純におもしろく気持ちのよい映画体験をさせてくれるアニメーションだった。
いつもの秋葉原の風景がぶわっとファンタジーになるところとか、AIアイドルのLIVEシーンとか、ラスボス戦のバトルアクションなどなど、最高に気持ちよかった(梶浦由記大好き)。
ポケモンGOという現実世界における特異点のおかげで、オーディナル・スケールのようなARが実現したらめちゃくちゃたくさんの問題が起こるだろうなあ、というのは容易に想像されるが、それでもなかなか少年ハートが踊るワクワクする世界である。
ARはリア充のものなので、キリトくんは「オレは別に…」って感じだったが、個人的には全感覚没入型VRのナーヴギアより現実を拡張するオーグマーの実用化を期待している。
SAOで使われている技術が現実世界ではどのような状況か、という話は以下の落合陽一さんと伊藤監督らとの対談記事を参照。
『電脳コイル』という偉大な先達があったり、また古典SFでも拡張現実は描かれているので、SAOがとびきり新しいフィクションかと言えばそういうわけでもないが、これだけ若年層に人気のアニメーションが、これだけわかりやすく「ARのあ(りう)る未来」を視覚化して提示してくれたことの意味は大きい。
こうした未来を想像させてくれる物語が、新しい未来を創造する糧になるのだろう。
さて、以下ネタバレ注意。
オーケイ?
芝村裕吏『この空のまもり』あるいは『セルフ・クラフト・ワールド』を読んでいたのと、似たようなモチーフで小説を書こうとした(そして挫折した)ことがあったので、「アスナの記憶が抜き出される」→「教授の娘が死んでる」のコンボで彼が何をしようとしているのかはすぐにわかった。
そして、劇中のような乱暴な手段を取らなければ全然アリだし、いけたんじゃね?という気がしている。
今回の劇場版の不満点を一つ挙げるとすればライバルキャラクターのエイジや黒幕の教授、第100階層のボスがやや雑魚っぽいところだったので、「死んだ人間のデータをかき集めてAIとして復活」という手法を今後も活かしていただき、茅場晶彦氏に強大なラスボスとしてキリトくんの前に立ちふさがってほしい(茅場さん死んでる、という理解だけどあってる?)。
いやはや、しかし楽しい2時間だった。
ユナちゃんのライブ映像を観ながら余韻に浸る。
劇場版SAO公開記念「AR LIVE Technotopia SAO × “Wizard” Yoichi Ochiai」イベント映像
ムーヴメントを生み出すために〜『始まりを告げる《世界標準》音楽マーケティング』
ムーヴメントとは
高野修平『始まりを告げる《世界標準》音楽マーケティング 戦略PRとソーシャルメディアでムーヴメントを生み出す新しい方法 』では、世の中の「盛り上がり」をファッド、ブーム、トレンド、ムーヴメントの4つに区分している。
ファッドは数日の一気呵成な盛り上がり(Twitterなどで見られるバズる、炎上するはこれ)、ブームは数ヶ月程度続きかつ参加者の熱量と主体性があるもの、トレンドは1年程度続き、参加者の主体性はないけれど世の中に拡がりを見せるもの、などといった定義をしている。
その上で、ムーヴメントは、一過性のものではなく、1年以上続き、かつ人々の価値観やライフスタイルを変化させるものだ、としている。
そして、本書は、音楽を通じて世の中を動かすムーヴメントを生み出す方法を述べた一冊である。
「世の中ゴト」化する
ムーヴメントを起こしていくためには、音楽が「自分ゴト」なのでは当然難しく、さらに身内や趣味人だけで盛り上がる「仲間ゴト」だけでも難しい。
「これは自分にも関係がある話だ」「この曲は自分のことを歌っているのだ」と多くの人が共鳴する「世の中ゴト」化していく必要がある。
本書で例に挙げられているのはブリットポップだ。
これはアメリカ音楽が人々に拡がり、流行していった反動・カウンターとして「イギリスらしさ」を人々が渇望する中で、これに応えるものとしてブリットポップが生まれた。
そしてブラー VS オアシスの対立がイギリスの音楽シーンの中で注目の的となり、ブリットポップムーヴメントは頂点に達する。
そして、こうした「イギリス的なもの」の復権は映画、文芸、ファッションにも波及したと言う。
ビジネスでムーヴメントを起こす?
本書は「音楽の力でムーヴメントを起こす」内容であるが、ここまでの話はビジネスにも援用できる。
- 「熱量」のあるファンをつくること
- ビジネスを「世の中ゴト化」すること
これらは「ビジネスの力でムーヴメントを起こしたい」という時もほぼ同じ考え方ができる。
例えば当社の運営する日本語オンラインレッスンサービス"Aniguage"を例にすれば、
- 月数回利用し、周囲の友人にもレコメンドしてくれる熱心なユーザをつくる
- 日本語がオンラインで学べることによって、日本語及び日本文化の海外普及に貢献できる(ことを人々に認識してもらう)
といったことを目指した施策を打っていく必要がある。
本書では、『進撃の巨人』『あまちゃん』といった音楽以外のエンタメ、One Direction、David Bowieなど、さまざまな具体的事例を挙げて、ムーヴメントがどのように生まれていったかを説明している。が、正直なところビッグアーティストによるビッグな仕掛けすぎて、参考にならない…というのが率直な印象だ。
一方「きゃりーぱみゅぱみゅだったから可能だった、という言い訳は封印しよう」と書かれていて、それはまさにその通りだし、ないものねだりをしても仕方がない。
予算は少なく、現時点では知名度もほぼゼロといった状況から、世の中を動かす、ムーヴメントを生み出すというのは簡単な話ではない。
けれど、今はまだ世に知られぬアーティストが、それでも日々ライヴを続けるように、地道な取り組みがなければ、ブームになることもムーヴメントを起こすようになることもありえない。
ムーヴメントを生み出していくために、今できることを積み重ねていこう。
始まりを告げる 《世界標準》 音楽マーケティング 戦略PRとソーシャルメディアでムーヴメントを生み出す新しい方法
- 作者: 高野修平
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2014/04/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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5/26トークイベントAKB LOUNGE! feat Aniguageについて
来たる5月26日(金)19時00分から「AKB LOUNGE! feat Aniguage」というイベントを開催します(GARAGE AKIHABARAさんとの共催)。
アニソンを流しながら気軽にご参加いただける交流イベントなのですが、今回はAniguageとのコラボレーションということで、「出身なんて関係ない!?Web企業×留学生」をテーマとしたトーク中心のイベントになっております。
ゲストとしてお招きするのは、ヤフーのポテンシャル採用に取り組む内藤汐美さん、そしてサイバーエージェントでゲームプランナーとして活躍する香港出身のウォン ヨクマンさんです。
さて、突然ですが、「ほんこーん」さんというニコニコ動画の歌い手さんをみなさんはご存知でしょうか。
2007年12月に「【ニコニコ國際】香港人が組曲『ニコニコ動画』を歌ってみた」を投稿し、以後たくさんの歌ってみた動画を投稿され、好評を得た香港出身の歌い手さんです。
現在では、海外からも多くの方がニコニコ動画を視聴し、動画を投稿していますが、こうしたニコニコ国際交流の先駆けだった方でもあります。
2009年には「つきうさぎ」で商業CDデビューもされました。
実は今回ゲストとしてお招きするウォンさんがこちらのほんこーんさんなのです。
彼女は香港の中学6年生の時にニコニコデビューをしたのですが、その後好きが講じて日本に留学。
在学中も日本のポップカルチャーについて学び、卒業後も好きなゲーム制作に携わるためにサイバーエージェントに入社されたのでした。
日本のポップカルチャーをきっかけとして来日し、今もゲームプランナーとして活躍しているウォンさんのお話は、「Japanese Dream」を夢見る留学生のみなさんにとってとてもよい刺激になるのではないか、と思っています。
さらに、もうひとりのゲストである汐美さんには、採用サイドから日本のWeb・IT業界についてお話していただきます。
現在、逆求人イベント等において、高いポテンシャルを持つエンジニア採用のフロントを務めておられます。
彼女とは2016年5月に参加したStartup Weekend Tokyo Anime で出会いました。
チームは別々でしたが、深夜のデニーズで「進捗ダメです…」とお互いに励ましあったことを覚えています。
日本で活躍したいと思っている留学生の方はもちろん、Web・IT業界に興味のある方、オモシロオカシク働いている人の話を聴いて自分のキャリアに活かしたい方…
いろんな人にとって、きっとオモシロイ話が聴けるトークイベントになるかと思います。
少しでも興味がありましたら、ぜひお気軽にご参加ください。
詳細・お申込みはこちらからどうぞ↓
人を分かつ境界〜「ノー・エスケープ 自由への国境」(原題:DESIERTO)
恐怖を覚える映画だった。
エイリアンよりジェイソンより、単に銃を持った人間の方が怖い、ということをひししひしと感じた。
物語は非常にシンプルで直線的。
メキシコから移民たちが非正規入国する
→その移民たちを国境で発見したアメリカ人が殺す
→移民たちは逃げる
以上。登場人物たちの回想シーンなどもなく、舞台は国境の砂漠地帯のみ。
主人公と一人の少女を除けば、移民たちの大半はほとんどバックグラウンドを語られることもなく、死ぬ。
彼らをハントするアメリカ人についてもその背景が明文的に深掘りされることはない(演:ジェフリー・ディーン・モーガンなので端々からその人間性を感じられるものの)。
本作で恐ろしいのは、ハンターであるアメリカ人がその相棒たる猟犬の死を深く嘆き悲しむところだ。
淡々と不法移民を銃撃する彼は、血も涙もない怪物ではなく、長い時間を共に過ごしたパートナーを大切に思える人間なのである。
そうした人間が人を人とも思わず虫けらのごとく撃ち殺していくところに戦慄を覚える。
そしてこれは決してスクリーンの中のフィクションとは限らない。
いま、この瞬間、現実に起きているかもしれない話だ。
緑茶と焼酎のおいしい関係 〜最高に美味いお茶割りを求めて
静岡県で「お茶割り」と言えば、焼酎を緑茶で割ったもののことを言います。
地元の掛川に帰ってからよくこのお茶割りを飲むようになったのですが、これがハマると実においしいのです。
そこで昨晩、我々は「最高に美味いお茶と焼酎の組み合わせ」を真剣に探求・検討する研究会を開催しました。
参加者は「あいさプロジェクト」のメンバーと有志数名。
喧々諤々の議論は深夜まで及びました(楽しく呑んでいただけとも言う)。
お茶と焼酎の組み合わせは無尽蔵にありますが、昨晩はまず米焼酎をベースとして、お茶の方をさまざまな変えながら試してみようという話に。
そのため、焼酎は米焼酎の「阿茶の局」「白水」を基本としながら、これらを掛川深蒸し茶や火入れ強めの島田茶など、数種類のお茶で割りながら試飲を重ねました。
また、白水のお茶割りにさらに炭酸水を入れた緑茶ハイをつくりましたが、これがまた乾杯ドリンクとしてもぴったりの飲みやすさでした。
今回、お茶と焼酎のさまざまな組み合わせパターンで飲み比べをする、ということに初めてチャレンジしたのですが、思った以上に風味も香りも異なるものができました。
試してみるまでは「微妙な差しか出ないかもなあ」などと思っていたのですが、想像以上のちがいでした。
まろやかでコクのある焼酎には負けじと旨味の強い緑茶をあわせる、さっぱりとした辛口の焼酎は少し渋味・苦味のあるお茶で割る、など本当にいろいろなパターンが考えられそうです。
試しにガムシロップを入れて甘くしたものなどもつくってみましたが、それはそれでおいしくいただけました。
緑茶と焼酎のおいしい関係にはまだまだたくさんの可能性がありそうです。
これからも引き続き本研究を深めてまいりたいと思います。
なにより、美味い酒を楽しく呑むいい口実になりますしね。
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(2017年10月25日追記)
上記の研究会を経て、10月29日に広くみなさまにご参加いただいて、おいしいお茶割りを楽しむイベントを開催します!
ふるってご参加くださいませ〜。
必要なインプットとは何かあるいはリソースの投入について
現状、僕が取り組んでいる仕事をざっくり羅列すると主に以下の4分野になる。
・日本語オンラインレッスンサービスの運営
・日本茶通販サイトの運営
・Web制作ディレクション
・自治体関連の受託調査・事業
こうして見たとき、アウトプットの品質を高めるために必要なインプットは何か、といえば、日本語教育の知識、SNS等のPR戦略ノウハウの蓄積、Web制作スキルの向上、地域政策研究 etc... だろう。
もちろん他にも挙げればキリがないし、無駄なこともないと思うから、なんでも貪欲に吸収すればよいのではないかと思っているが、果たしてライブに行ったりアニメや映画を観たりマンガを読んだり、といったエンタメが仕事のアウトプットのために必要なのか?と問われると少々自信がない。
今日、三木一馬『面白ければなんでもあり 発行累計6000万部ーとある編集の仕事目録』(KADOKAWA)を読んだ。
非常に面白く読んだのだけれど、やはり成果を出す仕事人は自分のありとあらゆる時間を仕事につなげているし、しっかりとアウトプットのためのインプットを確保している。
では、自分は?と振り返ると「これも経験だから」と言って仕事と関係ない趣味をインプットと言い張っているような気もする。
例えるなら、サッカー選手が試合の合間にバドミントンをして「これも大切な練習だ」と言っているような。
もちろん息抜きならいい。あるいはその趣味でまたモチベーションを高められるのならよいだろう。
しかし、仕事のためのインプット、として捉えるちがう気もする。
結論はない。
有限な時間というリソースをどう投入するか、人間性の捧げ方が足らんのではないか、という雑感。