経営読書塾メルマガについて
今年に入って始めた経営者向けメールマガジン「経営読書塾」が発行16本となりました。
我ながら続けててえらい……。
Webサイトではvol.15までアーカイヴ化して公開しています。
これまでに取り上げた書籍を新しいものから並べると以下の通り。
vol.015(2018/05/12)『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』
vol.014(2018/04/28)『「原因と結果」の経済学―データから真実を見抜く思考法』
vol.013(2018/04/21)『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』
vol.012(2018/04/14)『知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ』
vol.011(2018/04/07)『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本』
vol.010(2018/03/24)『営業生産性を高める!「データ分析」の技術』
vol.009(2018/03/17)『マンガで身につく多動力』
vol.008(2018/03/03)『鬼速PDCA』
vol.007(2018/02/24)『サクッと起業してサクッと売却する 就職でもなく自営業でもない新しい働き方』
vol.006(2018/02/17)『日本再興戦略』
vol.005(2018/02/03)『ダイレクトリクルーティング 新しい採用の常識』
vol.004(2018/01/27)『成功者の告白』
vol.003(2018/01/20)『武器としての交渉思考』
vol.002(2018/01/13)『イシューからはじめよ』
vol.001(2018/01/06)『起業の科学 スタートアップサイエンス』
気になった方はぜひ購読してみてください(無料です)。
犀の角のようにただ独り歩め
「今年はちゃんと働こう」と決めて早2カ月。
おかげさまで仕事の受注も増え、忙しい毎日を送らせていただいています。
しかし、目の前の仕事への対応に追われつつあり、未来への投資がなかなかできていないのも正直なところ。
年初に一度計画は立てているのですが、状況は刻一刻と変化し、すでに現状と乖離している部分もあります。
そこで、今日は久しぶりに落ち着いて目標と計画を立て直そうかと。
で、一日ゆっくり考えていたのですが、めざすゴールとその実現に向けた目標が全然リンクできていないなあ……ということを改めて認識しました。
もちろん「4月から本格的に新しいビジネスの営業を開始できるよう、3月中にその準備としてPRツールを制作しよう」みたいな目標と計画は立てられます。
しかし、それより上位、最上位のゴールとそれを達成するための道筋が見えていないのです。
何度か書いていますが、僕のめざしているゴールは、移民・難民の子どもたちが不自由なく暮らし大人になって活躍できる国をつくることです。
そのためにシンクタンクへ入社して政策研究に携わりました。
退職後は、移民の方が活躍するモデルケースとなる事業をつくり、稼いだ金で移民の子どもへの教育へと投資する……そのために起業しました。
このゴールに結びつく仕事ができているのか、というと甚だ疑問です。
もちろんまずは会社を継続させるためにしっかりと稼ぐことが大切なのですが、それだけに終始するなら自分で会社をつくった意味がない。
ただ食べていくだけなら、それはそんなに難しいことじゃありません。
ただ、これからもめざす世界があるなら、これからも初志を貫く覚悟を持つなら、もっともっと考え抜いて、行動し続けていかなければならないのでしょう。
牛のように遅い歩みではありますが、これからも悩み迷いながらも前に進んでいきたいと思います。
犀の角のように、ただ独り歩め。
2018年1月の振り返り
さて、今日で1月もおわり。
早くも2018年始まって1ヶ月が経過したことになります。
……え……本当に早くない??
あっという間すぎる……。
さて、2018年の大目標は「基幹事業をつくる」ということでした。
そのために今年はもっと働こう、ということで当社比3倍程度の活動量で動いています。
おかげさまで引き合いもいただいており、仕事は順調に増えているのですが、しかし「基幹事業をつくる」というところにつながっているかと言えばちょっとまだわかりません。
基幹事業というのも、年初の計画であれば自社の強みになっているオリジナリティの高いもの、くらいのイメージでしたが、ニッチな分野でよいので「これについては日本で一番です」という事業を育てたいなあ、と。
まだ考えがまとまっていませんが、とりあえず走りながら、試行錯誤しながら、引き続き考えていきたいと思います。
2月からもどうぞよろしくお願いいたします。
82回目の終身刑というバンドについて
あなたは「82回目の終身刑」というバンドをご存知だろうか。
大阪を拠点にライブを続けるシンガー"浪花の狂犬"葉月の呼びかけにより、2017年8月2日に結成・発足した"牢獄発囚人ガールズバンド"だ。
結成してまだ半年にもかかわらず、その愛らしく美しいヴィジュアルから想像できないような激しくエモーショナルな音楽に、多くの観客が魅了されている。
ライブ現場には足繁く通うファンも多く、その中毒性の高さが伺える(ちなみに僕も15〜16回ほど)。
82回目の終身刑の音楽を聴く者は、彼女たちの牢獄に心を囚われてしまうのかもしれない。
結成されたばかりのバンドとはとても思えないライブパフォーマンスは、メンバーの多くがこれまでもソロあるいはバンドとして活動してきた経験によるものだろう。
楽曲としては、82回目の終身刑オリジナル曲である「八つの大罪」をはじめ、葉月がソロで歌い込んできた曲が演奏され、フロアを熱狂させる。
そして驚くべきは結成したから今日に至るまでのライブ回数だ。
結成からこれまで彼女たちがステージに立ってきたライブは次の通り。
- 8月2日(水)東京葉月フェスティバル2017@高円寺HIGH
- 9月10日(日)MUSIC☆PRIMER~葉月5thシングル発売SP【黎明罪と罰】~@大阪RUIDO
- 9月15日(金)SPREADING FROM A FEW POINTS vol.2@アメリカ村CLAPPER
- 10月03日(火)サディスティック仮面ちゃんpresents「仮面舞闘会vol.2」@アメリカ村CLAPPER
- 10月14日(土)幻想症候群集会@名古屋HOLIDAY NEXT
- 10月17日(火)サイカ、咲きイカ、いかんせん誕生日なもんで。@大阪MUSE
- 10月31日(火)Welcome Monstar Party!@アメリカ村DROP
- 11月04日(土)轟音<GO!ON>JAM~82回目の終身刑レコ発”八つの大罪”~@大阪RUIDO
- 11月29日(水)RAD ROCK RADIO@新栄 RADSEVEN
- 12月14日(木)Magistina Saga 庵&潤戯&Saw.生誕祭@Bigtwin Diner SHOVEL
- 12月20日(水)LeeNAMO&KujaK 1stAnniversaryParty@神戸VARIT
- 12月23日(土)FOUR COLORS@北堀江hillsパン工場
- 1月03日(水)アンドクレイジーワンマン前主催ライブ@名古屋ReNY limited
- 1月08日(月・祝)BLACK MAGIC OSAKA@江坂MUSE
- 1月11日(木)×YAMITERASU×vol.2@アメリカ村CLAPPER
- 1月13日(土)Twilight way@新栄RADSEVEN
- 1月16日(火)Odyssey@梅田Zeela
- 1月17日(水)RockStepBurst!!@アメリカ村DROP
- 1月21日(日)東京が怖い。THE FiNAL@渋谷ミルキーウェイ
すでに約20本。
え……まだ結成して半年ですよね……?というライブ回数である。
唯一の弱点であった「バンド経験の少なさ」を補うかのように、ものすごいペースでステージに立ち、そのパフォーマンスはライブの度に進化している。
その勢い、スピード感は留まることを知らない。
2月3日(土)には早くも名古屋最大級のバンドサーキットフェス「でらロックフェスティバル」への出演が決まっている。
さらに、2月18日(日)には、1stワンマンライブ「初公判GUILTY」が大阪RUIDOで開催される。
そしてそのチケットもSOLD OUT間近、残りわずか4枚とのこと。行く予定の方は急ぎWebから購入した方がいいかも。
82回目の終身刑はこれから間違いなく「来る」バンドだ。
その1stワンマンライブは、彼女たちの物語の最初のヤマ場になるだろう。
おもしろいバンド、エモーショナルなライブを探し求めている人は、その日その夜その瞬間を逃してしまったらきっと後悔する。
あなたも、彼女たちの物語のスタートを目撃しないか?
「いきなりワンマンはちょっと……」というあなたにも、幸いワンマンライブ前に、東京・名古屋・大阪で対バンで見るチャンスも残されている。
- 大阪:1月28日(日)MUSIC☆PRIMER〜まだまだ新春ぶっ飛びSP〜@北堀江club vijon
- 名古屋:2月03日(土)でらロックフェスティバル2018@RAD SEVEN
- 東京:2月13日(火)バレンタインスペシャルライブ!ちょこフェス!@渋谷Star lounge/渋谷CHELSEA HOTEL/渋谷game
いずれのライブも間違いなくおもしろくなるから大丈夫。
YouTubeで「82回目の終身刑」を検索すると、いくつかのライブ映像が出てくると思うが、ぜひ最新のライブ映像を見てほしい。
一回一回のライブで進化していく彼女たちは、常に最高の状態を更新している。
そして1月21日渋谷ミルキーウェイでのライブはこちら。
これを見て、ちょっとでもビビッと来た人はぜひライブハウスに足を運んでみてほしい。
映像で見るより10倍…いや82倍楽しいから 。
気になった方へ。
ライブスケジュールのチェック、チケット購入、「八つの大罪」「黎明罪と罰」の視聴、推しメン探しは公式サイトからどうぞ。
82回目の終身刑 公式サイト
それでは、またどこかのライブハウスで身体を揺らして音楽を一緒に楽しもう。
あなたと今日のライブの感想を語り合える日を楽しみにしている。
Blog3周年を記念して
このBlogを書き始めて昨日1月12日で3年が経ったそうです(はてなブログからメールが届いて教えてくれました)。
早いものです。
はじめて書いたのはこんな記事でした。
内村鑑三の講演録「後世への最大遺物」をお読みになられたことがあるでしょうか。
同書において、内村鑑三は次のように語っています。
人間が後世に遺すことのできる、そうしてこれは誰にも遺すことのできる遺物で、利益ばかりあって害のない遺物がある。
それは何であるかならば勇ましい高尚なる生涯であると思います。
僕はこの言葉が好きでして、Blogのタイトルはまんまこちらからいただいております。
高尚なる生涯……からは程遠いですけれども、リスクを取って生きていく、一つの記録として、この日記を付けています。
どこかで野垂れ死にするかもしれませんが、それはそれとして。
最近はめっきり更新頻度も落ちていますが、のんびりとこの日記は続けていきます。
これから続く人たちにとって参考となる、リスクテイカーの前例になっていければ幸いです。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
2017年の総括と2018年の計画
新年のご挨拶
遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。
今年は新年早々インフルエンザに倒れ、強制的に寝正月となりました。
そのため、例年であれば毎年1月1日に投稿している旧年総括&新年計画の記事もようやく更新できました。
何はともあれ、こうして2018年を無事に迎えられたことをみなさまに感謝申し上げたいと思います。
2017年も本当に、みなさま大変お世話になりました。
2018年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2017年の総括
それでは、2017年の振り返りから。
2017年当初に立てた計画・目標はこちら。
2017年の主なできごと
まずは2017年、どんなできごとがあったのか振り返ってみます。
主なできごとを時系列順にピックアップしてみました。
1〜2月
- 米国・ユージン市出張(掛川茶輸出戦略に関する市場調査)
- 掛川市シティプロモーション戦略策定調査
- 袋井市「クラウドファンディング活用セミナー」講演
3〜4月
- 掛川茶輸出戦略策定業務 納品・完了
- アニソンDJ国際交流イベント「ANIME GOTCHA!!」開催
- 日本語オンラインレッスンサービス「Aniguage」リリース
5〜6月
- 静岡銀行との取引開始、融資を受ける
- 秋葉原にてトークイベント「出身なんて関係ない!?Web企業×留学生」開催
- 西日本新聞社主催シンポジウム「新移民時代」パネリストとして登壇
- 立命館大学「産業とまちづくり」にてゲスト講義
7〜8月
- 役員退職・独立に伴い「Aniguage」事業譲渡
- ネパール日本語学校視察旅行
9〜10月
11〜12月
- しずぎん起業家大賞 応募
- RESASハッカソン2017 in 京都 最優秀賞受賞
- 新規事業(EBPM事業)に関するリサーチ開始
2017年計画の進捗評価
続いて、2017年元日に立てた当年の目標について、その進捗を検証・評価していきたいと思います。
よい方からA-Cの3段階評価とします。評価基準は僕の感覚です。てきとう。
大目標:稼いで稼いで稼ぐ
総合評価:B
創業2期目の売上目標は2,000万円と設定しておりました。
で、結果はと言えば1,185万円でした。達成率は59.2%ということで、ぜんぜん届かず……。
ただですね、創業1期目の売上はわずか300万円程度だったことを思えば、大きな進歩ではないかと思います。ええ、そういうことにしましょう。
というわけで総合評価はB!
小目標1:Aniguageを軌道に乗せる
評価:C
軌道に乗せるもなにも事業譲渡して消滅するという……。いろいろありましてね……。
ただ、C to Cのプラットフォームサービスを企画し、立ち上げるところまで実際に行った経験は蓄積できたので、これは今後活かしていきたいと思います。
小目標2:日本茶の海外通販事業の開始・販路開拓
評価:C
ECサイトのプラットフォームを切り替えるなど改修は行いつつ、日本茶通販事業は縮小しています。
海外販路開拓も特段進んでおらず、今後も拡大路線とはしない予定です。
小目標3:Web制作案件の受注拡大
評価:B
Web制作の案件は複数件、特に掛川・静岡地域でのお仕事をいただくことができました。
まだまだ案件数としては少ないですが、ちょっとずつ実績を積んでいきたいところです。
2017年全体振り返り
出会いもあれば別れもある。
ということで、2017年は思いがけず、事業の選択と集中の年になりました。
当社の主力事業とすべく、2016年末、新たに役員を迎え入れ、半年ほどの時間をかけ、アニメ好き外国人向けのオンラインレッスンサービス「Aniguage」については、今年7月に事業譲渡し、また創業当初からの日本茶通販事業も縮小することにしました。
一方、Web制作事業の拡大及び後述する新規事業の準備などを進めた一年でもありました。
静岡銀行からの融資を受けられた、というのも今期の大きな出来事の一つであります。
事業以外の面では、未来を創る財団の主宰する定住外国人政策研究会のメンバーとして、シンポジウムでお話させていただいたり、大学や市役所等での講演する機会にも恵まれました。
こうした対外発信活動や、政策提言活動については、毎年継続していきたいと思います。
ただ、総じて「今年も大した成果が上がってないな……」というのが率直な感想です。
売上としても下半期2名体制だったことを思えば、そこまで大きいわけでもなく。
ただ、着実に一歩ずつ積み重ねはできているとも。
あまり卑下しすぎず、この2017年を2018年につなげていきたいと思います。
2018年の計画
というわけで、2017年をふまえて、2018年の計画についてです。
今年も形式としては、大目標1つ及びそのための小目標3つにまとめたいと思います。
大目標:基幹事業をつくる
株式会社あらまほしの2期目の売上は1,000万円を超えました。
これは一つの目安でもあったのですが、3期目の数字としては1,000万円超の売上を維持することを目指したいと思います。
しかし、2018年は数字以上に、株式会社あらまほしとしての基幹事業、主力プロダクトをつくり、育てる、ということに注力したいと考えています。
特に現在の当社の売上構成としては、地方自治体及び財団法人のコンサルティング、中小企業向けWeb制作事業が中心となっています。
一方で、これらの事業について、競合他社と差別化を図るためのUSP(Unique Selling Point)が何か、と問われると「これだ!」と明言できるものがない状況です。
と言いつつも、例えばWeb制作分野で、当社が技術的な優位性を持つことも難しいところではあります(もちろん今後も継続及び強化はしていきますが)。
ついては、これに対し、2018年では(今度こそ)独自事業を展開し、「株式会社あらまほしと言えばコレ!」と言えるプロダクトを展開していきたいと考えています。
というわけで、小目標としては次の通りです。
小目標1:地方自治体におけるデータ利活用を推進する新規事業の立ち上げ
2017年の暮れから着手していますが、地方自治体におけるデータ利活用を推進するための新規事業を準備しています。
具体的には、地域経済データ分析レポートの販売、EBPMのための調査研究を事業化します。
こうした新規事業を行うことにより、利益を生みながら、日本各地において、科学的根拠に基づく政策形成を進めていくことに貢献したいと考えています。
数値目標:データ分析レポート販売・導入 20団体
小目標2:地域の企業経営者向けコンテンツの制作・発信
2018年1月より「経営読書塾」という経営者向けのブックレビューメールマガジンを始めました。
これまで疎かだった地域企業向けのコンテンツづくり、情報発信についても2018年は強化していく予定です。
また、これらの情報発信を通じて、将来的には掛川を中心とした地域全体の経済活性化につなげていきたいと考えています。
数値目標:メールマガジン発行件数 50件
小目標3:Web制作技術の高度化・受注拡大
Web制作については、創業2年半を通じて複数の制作ディレクション経験を積み重ねてきました。
2018年はより制作技術の高度化を図るとともに、社外のデザイナーさん、エンジニアさんとの提携も多角化しながら、クライアントのニーズにより的確な対応ができる体制を整えます。
数値目標:Web制作案件新規受注 6件
以上、2018年の計画・目標でした。
それと小目標には入れておりませんが、そろそろ健康な生活をきちんと意識していきたいと思います。良質な睡眠、バランスの取れた食事、適度な鍛錬。
今年は元日からインフルエンザにかかったのでより健康の大切さを噛み締めています。
繰り返しになりますが、今年は新たな基幹事業を生み育てる一年にしたいと思います。
いや、毎年言ってるんですけど。三度目の正直ですね。
がんばっていきたいと思います。
2018年も応援何卒よろしくお願い申し上げます。
EBPM推進における産学官それぞれの役割
12月19日に開催されたRIETI(独立行政法人経済産業研究所)主催EBPMシンポジウム「エビデンスに基づく政策立案を推進するために」に参加した。
本シンポジウムにおいて、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社小林庸平主任研究員より発表「イギリスの独立機関によるEBPM」において、その中核組織であるWhat Works Centre(WWC) の概要が紹介された。
WWCの基本的な役割は、エビデンスを「つくる」「つたえる」「つかう」こととされている。
この役割の枠組みは、日本においても援用できるものと考えられる。
また、RIETIの矢野所長の発表においては、これまでの学術的な視点でのEBP研究に加え、政策に直結するEBPMの強化を図ることの必要性が訴えられている。
これは、医療分野における基礎と臨床のような違いとして例えられていたが、学術的に価値のあるEBP研究と、現場のニーズに応えうる実証研究にやや距離があるため、これらをつなぐハブ機能が必要であるということであった。
あわせて、EBPMを担うことのできる人材の育成が急務であることにも言及がされた。
これらの状況から、EBPMを推進していくためには、研究者と政策実務者において、次のような役割分担が求められるのではないかと考えられる。
研究者:
・最新の(=これまでにない)エビデンスをつくる
・どのようなエビデンスが存在するかを政策実務者につたえる
政策実務者:
・既存のエビデンスを政策形成につかう
・現場でつかえるエビデンスがどのようなものか研究者につたえる
一方、先述した通り、上記の研究者と政策実務者の間には、学術的価値と実証的価値というギャップがある。
こうしたギャップを埋めていく存在として、RIETIなどの関係機関や、シンクタンクをはじめとした民間組織において、次のような役割が期待される。
民間組織:
・研究者のつくったエビデンスを政策実務者に広くつたえる
・研究者が対応できないが、現場からはニーズがあるエビデンスをつくる
・現場のニーズによりつくられたエビデンスを政策実務者につたえる
・エビデンスをつかう政策実務者を増やす
特に、現在EBPMに関する取組は国内外において国レベルでの検討、研究が多くを占めており、地方自治体における知見の蓄積は不十分である。
当方においては、こうした状況を改善する一翼を担うため、民間組織の立場から地域におけるEBPMの推進・普及に取り組んでいきたい所存である。
とは言え、まだ知識不足の面も否めないため、年内にEBPMに関する概況の把握に努め、年明けには地方自治体においてどのような推進が考えられるか具体な検討を進めていきたい。