出来レースについて、あるいはきちんと怒り続けること
もしおまえがシステムとかカラクリに疑問を感じたり窮屈に思うようだったら、きちんと怒り続けるべきだよ。こんなもんか、なんて思わないでな
---- 金城一紀『SPEED』
昨晩のできごとから、今日は時々企画書を書く手を止めて、つらつらと考え事をしていた。
大学を卒業して働き出すと、「位置についてヨーイドン」のオープンなレースかと思いきや、始まったときにはすでに勝者が決まっている競争がたくさんあった。
「僕の企画書にかけた情熱と時間を返せ」とは思ったものの、まあ、そんなものかな、と受け入れた。
呪うなら、出来レースであることを事前に調べられなかったお前の情報収集力の不足を呪え。
そう自分に言い聞かせた。
レースは始まる前に始まっている。
どうせなら、出し抜かれる側ではなく、出し抜く側にまわろう、と思い、レースが始まる前に決着をつける手練手管を覚えた。
それが悪いことだとは思っていない。ビジネスはそういうものだ。
しかし、オープンなレースでないものを、あたかも公平で公正で開かれたもののように見せかけることは、フェアな話じゃない。本当は。
こんなものか、と思うには、まだ早い、はず。
ハートとソウルで感じることを、失われつつある素朴な怒りと悔しさをもっと大切にしよう。
彼女は闘い続ける。
君は、僕は、どうだろうか。