STARMARIEが教えてくれたエンターテイメント
STARMARIEの単独公演に参加してきた
4月27日(水)@東京・赤坂BLITZにて開催されたSTARMARIEの東名阪ツアー「STARMARIE FANTASY TRIP 〜第二幕 星祭りの夜〜」のツアーファイナルに参加した。
一言で言えば、最高に幸せな夜だった。
あまりの感動に、僕の価値観は少なからぬ打撃を受けた。
その興奮が冷めないうちに、この感動を言語化するため筆を取った。
STARMARIEとは?
左から、松崎博香、中根もにゃ、木下望、高森紫乃、渡辺楓(敬称略)
ユニットプロフィールについては以下の通り(オフィシャルサイトより引用)。
2008年結成、死をテーマにしたファンタジーな物語を、歌とダンスで表現する5人組のファンタジーユニット。
独特なタイトルと難解な歌詞から構成される幅広い世界観の楽曲、激しく動きがシンクロするダンスと細やかな仕草や表情が織りなす舞台のようなパフォーマンスが持ち味。2015年11月に開催された『STARMARIE単独公演〜魔力が消える!〜』では新宿BRAZEを満員にし、12月に出演した『ブシロードライブ2015』では、テレビ東京系のアニメ「カードファイト!! ヴァンガードG」のエンディングテーマ『メクルメク勇気!』を披露した。また、その活動は日本国内だけにとどまらず、海外公演も積極的に行っている。特にアジアに強く、台湾,フィリピン,香港では単独公演を開催、2015年7月からは台湾での定期公演も開始している。
2016年2月19日の単独公演『FANTASY CIRCUS 〜第一幕 幻木町の怪人〜』では、TSUTAYA O-EASTをソールドアウト。春の東名阪ツアー『STARMARIE FANTASY TRIP 〜第二幕 星祭りの夜〜』のツアーファイナルを本日4月27日に赤坂BLITZで行う。この赤坂BLITZ公演に先駆けて、テレビアニメ『鬼斬』(TOKYO MX、BSフジ)の主題歌『姫は乱気流☆御一行様』を4月20日にリリースした。
とりあえず次のLIVE動画を見ていただければどんなパフォーマンスの雰囲気はわかっていただけるのではないかと思う。
STARMARIEそのものの素晴らしさは僕以外にも多くの人がBlogなどで語っているので、そちらをぜひご覧いただければと思う。
本稿では、僕自身がSTARMARIEとどのように出会い、どのような価値観の変容があったかについて語りたい。
STARMARIEとの出会い
僕がSTARMARIEと出会ったのは2016年3月26日秋葉原にあるAKIBAカルチャーズ劇場で行われたLIVEイベント「東京Princess GIG♪」でのことだった(そう考えると出会ってようやく1ヶ月のニワカ、新規もいいところである)。
同日、僕は茗荷谷にて大学研究室の同窓会があり、その帰りに新刊マンガでも買って帰ろうと秋葉原を散策していた。
そこで、AKIBAカルチャーズ劇場のイベントにて、Twitter界でひときわ有名なアイドルぺろりん先生のいるベースボールガールズが出演予定というのを見て、ふらりと当日券を買って入場した。
ちょうどその頃、地元で開催する芸術祭について悶々と考えていたところであり、専用劇場としてのAKIBAカルチャーズ劇場をいずれ視察したいと思っていたところだったので渡りに船だな、と思った記憶がある。
東京Princess GIG♪には確か4組のユニットが登場したように思う。しかし、残念ながらもうすでにSTARMARIEのパフォーマンスが頭一つ抜けていたことしか覚えていない。
ナレーションから始まる独特な世界観、MCを途中で入れないショー、圧巻のダンスパフォーマンス…。
この日は仕事でドタバタしていて寝不足かつ日中にお酒も嗜んでいたため、正直なところ少々うつらうつらとしていたのだが、彼女たちのパフォーマンスからは1秒足りとも目が離せなかった。
イベント終了後、物販が始まるとともにCDを購入。
アルバム2枚だったため、全員握手 or 2ショットチェキの特典券がついていた。
これまで仕事をきっかけにアイドルさんのLIVEにお邪魔しながらも、握手もチェキもちょっと照れくさくてわりと遠慮することが多かったのだが、このときばかりはその素晴らしいパフォーマンスを讃えたいと思い、中根もにゃさんに2ショットチェキをお願いした。
もにゃさんにお願いしたのは、もちろん何より眼力がすごい、カッコいいという第一印象があったためだが、実は静岡県出身というのも理由としてあった。常に地元の仕事につなげられないかということを考えているので、静岡県出身者と話しておこうと言う思惑があった。
(あくまで当時の話。現在は地域の仕事につなげられるかどうか関係なく正真正銘のもにゃさん推しである。もにゃさんへの想いは本稿の趣旨と関係ないのと書き出したら多分相当アレな感じになるので割愛)
帰宅後、CDを聴き、改めて楽曲のクオリティの素晴らしさに心を打たれた。
その後、東名阪ツアーの4/17名古屋、4/27東京のLIVEチケットをすぐに購入した。
赤坂に至るまで①:名古屋公演とその後
チケット購入後は名古屋まで特段イベントはなく、若干のクールダウン。落ち着きを取り戻して普通に時々作業用BGMとしてCDを流す程度の日々。
そして訪れた4/17(日)名古屋単独公演。
20曲以上をMCなしでガンガン進めていく。
モッシュが思いのほか激しいのとフリコピ現場だったので若干戸惑いつつも、思った以上にとても楽しい時間だった。
ここではじめて全員握手会なるものに参加し、はじめてメンバーのみなさんと声を交わした。
そして名古屋の後は27日の赤坂まで再びクールダウン…となるかと思いきや、全員と声を交わしたことで、「STARMARIEのLIVEパフォーマンス」のファンから「STARMARIE」そのもののファンにクラスチェンジしてしまい、その後はもにゃさんにこまめにCHEERを送ったり、のんさんやしのはむさんのBlogを読み漁ったり、ひぃさんやかえさんのツイキャスを欠かさず聴いたり、おたぽるの記事を掘り返したりしながら、なんなのこのひとたち超かわいいんだけど、という思いをこじらせていくことに。
当然STARMARIEの公式、メンバー、プロデューサの高谷さんのTwitterもフォロー済みでリスインして毎日チェックしていた。
あとは、“お笑い×アイドル”の新感覚バラエティ「インスタントジョンソンの”Shall We Conte?”」(通称シャルコン)にもにゃさんが出ているというのを知り、押上のスタジオ収録を観覧しに行ったり。狂言も松本さん(B'z)もいけるもにゃさんパネエっす。
とまあこんな感じにSTARMARIEとの接触が増えていった。順調に沼にはまっていったと言える。
赤坂に至るまで②:CDリリースイベント
その後4月19日からは東京で新曲シングル「姫は乱気流☆御一行様」のリリースイベントが連日開催された。
もにゃさんがTwitterで「絶対来てね!」と投稿する中、平日は仕事で行けずに、もうなんというか行けなくて申し訳ないという罪悪感が半端なかった。
ようやく待ちに待った週末23日、24日は計5回のリリースイベント全てに参加した。
STARMARIEと出会う前の自分なら「ほとんど同じLIVEに5回も行くとか意味がわからん」と言ったかもしれない。いや、確実に言う。
そんなかつての自分に声を大にして言いたい。
「ちがうんだよ!LIVEはいきものだから、全部違うんだよ!」
ちなみに各回にてCDをそれぞれ購入したのと、どうしてもほしい特典があったので我が家には現在計9枚の「姫は乱気流☆御一行様」がある。
これもSTARMARIEと出会う前の自分なら「同じCDを何枚も買うとか意味がわからん」と言ったかもしれない。いや、確実に言う。
そんなかつての自分に声を大にして言いたい。
「ちがうんだよ!LIVE観覧料だよ!無料イベントだからってこんなに楽しませてもらって1円もお金を落とさないわけにはいかんだろう!」
ちなみに計9枚とか普通の感覚でいくと「同じCD9枚も買ったの!?」となると思うが、中には350枚以上購入されている猛者もいらっしゃるため、僕は全然ライトなヲタと言える。
いずれにせよ、こうして5回のリリースイベントを通じてメンバー全員と握手させていただき、ニワカながらSTARMARIEのことが好きになっていた。
ひぃさんのTwitterフォロワーを増やすためにどうしたらよいのか考えてみたり(いずれ参考資料としてまとめたい)、メンバーのTwitterから赤坂BLITZの集客が苦戦気味なのを感じて大学時代の旧友や前職の同僚に声を掛けたりもしてみた。
そして赤坂BLITZへ
名古屋単独、リリースイベント、その他諸々を経ていよいよ赤坂BLITZに参戦。
もちろん古参のマリスト(STARMRIEのファンをこのように呼ぶ)の先輩から見れば非常に短い時間ではあるが、すでに名古屋単独の時とは思い入れがちがう。
「人はみな、誰かを推すために生きている」とはアイドル評論の基本書『AKB48白熱論争』の言葉だが(中身はもう覚えてない)、自分史上これほど特定の誰かを推している状態でLIVEに臨んだことはなかった。
行きの新幹線ではワクワクしすぎて、明らかに心拍数が上がっていた。
そんな心境で迎えた赤坂BLITZ単独公演。
とても楽しく、幸せで、この時間が永遠に続けばいいのに、と思うような最高の夜だった。
開幕のオープニングムービーですでに鳥肌が立ち、「幻木町の怪人」で最初からクライマックス、「魔力が消える」ではもにゃさんにずっと目を奪われ、MCではひぃさんからもらい泣きしそうになり、アンコールの「姫は乱気流☆御一行様」は最高に盛り上がった。
こんな幸せな時間を提供してくれたSTARMARIEの5人、高谷さん、運営スタッフのみなさんには感謝の気持ちしかない。
追記:ひぃさんがセットリストをKK BOXにアップしてくれたのでシェア。
STARMARIEが僕の価値観に与えた影響
さて、ようやく本題に入る。
ここまで長々とSTARMARIEとの出会いから綴ってきたのは赤坂BLITZの感動の背景を知っていただくためであった。
赤坂に至るまでの1カ月間、たった1カ月という短い時間だったが、体感的には半年以上の濃厚な日々を送り、STARMARIEというグループとの心理的距離を一気に縮めてきた(あくまで戸田→STARMARIEという一方向の話である)。
こうした状況で迎えた赤坂BLITZ公演は本当に幸福度の高いイベントだった。
僕はもともと「この世で一番楽しいのは仕事である」と思っている。
ディズニーランドで遊ぶよりもディズニーランドを創る方が絶対に楽しい。
それは例えば今夜についても、「エンタメを提供されるファン」より「エンタメを提供するメンバー」の方が苦しくもあり、だけれど最高に楽しく幸せだったのではないかと思う。
本当の楽しさというものは消費活動ではなく、生産活動(プロデュース)にしかない。
その考えに変わりはない。
もちろん、消費する活動そのものが楽しくないと言っているわけではない。
僕は小説もマンガも好きだし、映画も芝居もわりと好きでわりと観る方だと思うが、とても楽しいと思っている。
しかし、そこにはやはり「提供されるものと楽しませていただく」という受け身な楽しみ方が中心になりがちであり、自分がプロデュースすることの楽しさにはかなわないのではないかと考えている。
少なくとも僕が一番ワクワクするのは新規事業の企画書を書いているときだったりする。
にもかかわらず、今夜のLIVEは尋常ではなく楽しかった。世の中にはこんなに素晴らしいものがあるのか、という気分になった。
プロデュースする喜びとはまた異なる種類の楽しさ、幸福があるということを、これまで理解はできたが共感してこれなかった中で、初めて体感できたのかもしれない。
どうしてこんなに満ち足りた気持ちになるのだろう?
これまで使い古されてきたような話で恐縮だが、それはやはり、アーティスト5人との関係性があることなのではないかと思っている。
彼女たちの笑顔、努力、悩みを垣間見ている。そのことが(錯覚であっても)ともにショーをつくっているという感覚をファンに与えているのではないかと思われる。
そう考えると、これまで「相当ひまなんやろな…」としか思っていなかった甲子園球児を応援するおっさんたちの気持ちもわかるかもしれない。
もちろん、こうした関係性だけというなら他のアイドルたちと変わらない。
しかし、彼女たちの場合は、その圧倒的なパフォーマンスと独特な雰囲気を醸し出す世界観のその奇跡的なバランスが、少なくとも僕にとってはあいまってストライクど真ん中だった、ということだと考えている。
いまいちまとまらなかったが、本題については以上。
結び
STARMARIEは最高である。
彼女たちの(当面の)目標は日本武道館での単独公演の成功とのこと。
そして、武道館に向けた次のステップとして8月21日(日)品川ステラボールにて『FANTASY CIRCUS〜第三章 スペル・オブ・ザ・ブック』公演が行われる。
この駄文をここまで読んだ読者諸兄におかれては、ぜひ観に来てほしい。
最上級のエンターテイメントが君を待っている。
STARMARIE単独公演
— STARMARIE【死を歌う。】 (@Starmarie19) 2016年4月27日
『FANTASY CIRCUS〜第三幕 スペル・オブ・ザ・ブック〜』
8月21日(日) ステラボール
OPEN 16:00 / START 17:00
全立見¥3000(税込・入場時別途ドリンク代) pic.twitter.com/rYaPKq2lUu
※オフィシャル先行販売は2016年5月28日(土)10:00〜
4月28日(木)午前4時20分 浅草のBUNKA HOSTEL TOKYOにて。眠い。